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月刊誌〈ひととき〉9月号の挿絵。

『ひととき9月号』(ウェッジ発行)。連載中の西山克先生の「中世不思議ばなし32」の挿絵です。

歴史資料から読み解く西山先生の不思議話は興味深いものです。
今号は【  鹿 入洛す 強訴と神木 】

今回は、タイトルの「入洛」「強訴」「神木」だけで、もう北村には意味がわからない。「入洛」はジュラクと読み、京都に入る事だそう。「強訴」はゴウソと読み、僧や神人らが仏神の権威を誇示し、集団で朝廷・幕府に対して訴えや要求をすることだそう。「神木」はシンボクと読み、神が宿る木。。。榊の事だそう。「鹿」は神の使いらしい。そして、先生の文中に“春日鹿曼荼羅”という絵についての記述があります。これが今回のキーワードとなります。
挿絵は勘違いして描いたらとんでもないことになります。間違いなく理解して、咀嚼できるまでに8回読むことになった9月号の原稿でした。

吉田社祀官のト部兼熙に奉行の松田貞秀が、「春日社の神木が入洛した」と伝えた。つまり、これはストライキなんですね。ストライキの内容は、興福寺の内紛が関わっていると言うこと。その内紛に右往左往した衆徒が強訴(ストライキ)に及び、春日社の神木(神鏡には注連付き)を京都の長講堂に安置したと。
春日社には武甕槌命、経津主命、天児屋根命、比売神の4所に加え、若宮を祀っている。ちょうど同じ頃、閑院流三条公忠の日記には、「南部より鹿三頭、京上す」とある。この3頭と、長講堂の神木を合わせた4つが、春日社の神とダブルではないか!と、先生。そして、その頃(2〜3年の間)、上皇が崩御など次々と起こる。
やはり、神木を移動させた祟りか?
その年の12月に、春日社のご神木は奈良に戻ったのでした。

北村さゆり拝

もっと詳しく読みたい人は、東海道新幹線グリーン車に『ひととき』は備えてあります。
お持ち帰りokだそうです。(^^)
鹿・入洛す

─ 2016年8月26日(金)