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安部龍太郎著『五峰の鷹』の表紙カバー原画。

安部龍太郎著『五峰の鷹』(小学館 12月2日発行)。
表紙カバー描き下ろし。

戦国時代、国を奪われながら、いち早く鉄砲の威力とその流通の重要性にふれ、自ら商いをしつつ戦国武将と交流を深め、お家再興を目指す若き武将・三島清十郎の姿を通し、時代が大きく動いた原動力を浮き彫りにする。(小学館より)

装丁家の芦澤さんが声をかけてくださいました。作家の安部さんからは、「明るく希望がある表紙」がいいなぁ〜という注文。芦澤さん曰く、「青い海に浮かぶジャンク船を、所謂博物館にあるような”日本画”の雰囲気で」。
“それ風”と言っても、線書きの波の表現は思いの外難しく、一枚目は失敗し、二枚目でようやくこんな出来です。芦澤さんの配した赤色のローマ字が効いています。いかにも南蛮風で♪

ジャンク船の資料は、大学の先輩で精密な恐竜のイラストを描かれる加藤愛一さんと、以前『銀の島』連載時に船の資料を借りていた作家の山本兼一さんお二人からお借りして、不透明水彩絵の具で“それ風”に仕上げました。
山本兼一さんと安部さんは作家同士でお友達。資料をお借りする時、仲の良さが伺えました。

※2014年2月下旬追記
2014年2月13日に本の完成打ち上げの時、初めて安部さんとお会いできました。別れ際に山本兼一さんの話になりました。そして翌朝、山本兼一さんの訃報が舞い込みました。とても残念で悲しいです。

本の完成をみて、頂いたメール。

「北村さゆり様
安部さんの『五峰の鷹』拝受。

力のこもったいい船ですね。
波をぜんぶ描かず、空白をいかしたのも冴えてますね。
感服しました。

また、一杯やりたいですね。
よろしく。                    」
ー2013.12.01ー


私が山本さんと一緒に仕事した12年間。全部昨日の事のようです。 まだ続くと思っていたのに・・・・

あっという間に駆け抜けた太く充実した作家生活だったと思います。
山本兼一さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
  北村さゆり拝

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─ 2013年11月26日(火)