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川越市立美術館のワークショップのこと。

上段に置いた3名分が写真枠に収まらなかったのが残念。

2月17日に行われた川越市立美術館でのワークショップ
【あの文章を挿絵にしてみよう】のこと
参加希望者には10日程前に、時代小説の原稿を送りました。と言ってもいきなりの挿絵が時代小説では面食らってしまわれるかもしれないので、簡単な江戸時代の日本橋の庶民の長屋事情や服装髪型の資料コピーも添えました。 小説は宇江佐真理さんの『日本橋本石町 やさぐれ長屋』からの「時の鐘」と、2015〜2016に日経新聞で連載された宮部みゆきさんの「迷いの旅籠」の「序」「1」「2」の原稿。この中で自分が描きたい場面を選んでいただく事にしました。私のように漫画が全く描けない、どちらかというと説明する挿絵には不向きな絵描きが、なんとか文章のイメージを絵にするには、江戸時代に描かれた画像が最も信頼できる先生です、という導入をさせて頂き、美術館には春信、北斎、歌麿、広重、国貞、清方、松園の画集を用意して頂きました。
水彩用画用紙に墨汁一色で描くワークショップ。三時間制限で仕上がるかが心配でした。
挿絵画家を養成するワークショップではないので、時代小説を描く上で外せない時代考証や、画家達が当時の生活を細やかに表現しているのをのぞき見る楽しみをお伝えできたようには思いました。
当日、風邪で欠席者3名。キャンセル待ちで急遽繰り上がりの参加者も混じり、繰り上がり組はさぞ大変だったと思いますが、そんな私の心配をよそに正味2時間半でちゃんと挿絵が出来上がりました。
全員の作品を文字に組んで印刷してみると、挿絵として文章を活かす役割を果たしています。
ご参加の方々の絵心が、つたない講師の助けになったのは事実です。難しいワークショップに挑戦させてくださった川越市立美術館の折井さんと、参加してくださった皆様、美術館ボランティアスタッフには感謝いたします。
ありがとうございました。
北村さゆり拝
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─ 2018年2月19日(月)